「小海線を唄う」 作詩:楜澤 仁(くるみざわ しのぶ) 鉄道唱歌のメロディーで歌う


 

 1.浅間と八嶽(やつ)に こだまする 走る列車は 小海線
   大地豊かに 広がりて 旅ゆく人に 想いあり

 2.詩情漂う 懐古園 草笛・馬子歌 あとにして
   発車のベルは 小諸駅信越線と 分かれゆく

 3.望む布引 御牧ケ原(みまきはら) ひろがるまちの 賑わいに
   東小諸の 駅は立つ 月下の滝は キラキラと

 4 文化センター 仏舎利に 心さやけき 調べあり
   虹のかけ橋 乙女駅 幸福駅に 夢咲かせ

 5.桃やりんごの 里ひらけ 花と実りに うるおいの
   三岡駅に 近づけば 連山北に 眺めあり

 6.名刹きこゆ 玄江院 遙か塩名田 中山道(なかせんどう)
   瀟洒な姿 美里駅 御影陣屋も 指呼のうち

 7.大空碧き(あおき)中佐都の 光り眩き 田園に
   アルプス遠く 夕映えて 雲うるわしと 手をかざす

 8.新幹線の 駅舎建つ 希望明けゆく 佐久平
   小海線と 交差する 夢七色の 八十年

 9.若人集う 佐久パラダ 鼻顔稲荷(はなづらいなり) 光蘚(ひかりごけ)
   春夫・静の碑(いしぶみ)に 文化の香る 岩村田

10.ハイテク団地 西にして 東に緑の 牧場あり
   北中込に 降りて見る 仏教伝来 美術館

11.川を渡れば 滑津駅(なめづえき) アカシア咲きて 五月晴れ(さつきばれ)
   無人の駅は それぞれに 色と形に 花を添え

12.バルーン空に 高く舞い コスモス街道 秋かざる
   中込学校 太鼓楼 学びの道は 今重く

13.佐久の風土を 醸し出す 名水うまき 酒の里
   信濃雪鱒 鮎に鯉 千曲の川に 詩(うた)のあり

14.河鹿鳴く川 せせらぎの 平賀城址 内山峡
   降りたつ駅は 太田部よ 荒船遠く ふり返り

15.そびゆる塔は 三重の 新海三社 杉木立
   歴史を語る 龍岡城 由緒はふかし 五稜郭

16.またたく星の 輝きよ コスモスタワーが 目に迫り
   宇宙に拓(ひら)く 臼田町 農村医学 佐久病院

17.入沢橋は 二十一 三石翁の 声いとし
   青沼駅に 耳かせば 佐久の歌叢(うたくさ) 聞こえくる

18.観音詣で 山入れば カタクリひそかに 群れ咲きて
   花々つづき 佐久町は 乙女の滝へ 羽黒下

19.稲穂波うつ 海瀬駅 文明支える 発電所
   鉄平石を 賞(め)でながら 古谷(こや)渓谷に 気は澄みて

20.この風光に 洗われて 画壇に高き その偉業
   奥村土牛 記念館 尋ぬる人は 八千穂駅

21.学生村の 名にはじず 人情厚き 座布団の
   温み嬉しき 高岩や 百メートルの 天狗岩

22.天つち尊き 摂理にて 天地創造 由来あり 
   知名にのこる 馬流や 秩父事件の 古戦場

23.流るる川の 水清く 海の地名を 集めたる
   小海の町に 三番叟(さんばそう) 古式ゆかしき 祭祀(さいし)あり

24.山路に囀(さえず)る 鳥数多(とりあまた) 九つの駅 記録あり
   標高高き 駅ベスト 数えて今ぞ 乗りゆかん

25.野辺山・清里・大泉 川上・広瀬・小泉や
   海の口・尻(じり) 松原湖 車窓に交わす 笑顔あり

26.一千分の 三十三 急勾配で たどり行く
   松原湖駅 「野ざらしの 鐘」の響きに 誘われて

27.渓流・山に 挟まれつ 登れる駅は 海尻よ
   温泉(いでゆ)あふるる 海ノ口 音楽堂の 素晴らしさ

28.トンネル抜けて 佐久広瀬 往時秘めたる 街道に
   うまおい・こおろぎ 人の声 平和の時ぞ 過ごしゆく

29.心をひらき 手をのべて 自然の息吹き 鮮やかに
   千曲の源流 川上に 人の情けと 蕎麦の味

30.SLファンに 名を止め(とどめ) 最高地点を ひた走る
   高原列車の 名にしおう 駅は野辺山 空に星

31.信濃の国を 後にして 下ればいつか 甲斐の国
   お伽(おとぎ)の館(やかた) 清里は 美しの森 花つつじ

32.テニスにゴルフに ハイキング 降り行く先は 大泉
   小泉辺り 泉郷 カッコー山に 友を呼ぶ

33.山脈(やまなみ)めぐりて つづらおり林の中は
   リゾート地 放牧の地に 馬駆ける 乗り継ぐ駅は 小淵沢

34.信越線と中央線 小諸駅から 小淵沢
   三十一駅 さまざまに 風情つたえて 小海線


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